2010年05月10日
普天間基地問題に関して
かつて私は海上自衛官として、わが国の国防の第一線で勤務していました。
海上自衛隊ではP-2Jという対潜哨戒機のパイロットをしていたため、頻繁に米軍との共同作戦(対潜水艦監視追尾行動)を行っていました。
嘉手納基地内にある米海軍ASWOC(対潜水艦作戦センター)にも連絡将校として派遣されたこともあります。
わが国は海洋国家であり、国家の存立と発展のためにはシーレーンの防衛・シーコントロールの確立は必要不可欠ですから、憲法第9条の下に最低限度の自衛権しか持てないとされている日本にとっては、現状、日米同盟が日本の海洋権益確保および国家安全保障の唯一の鍵となっているわけです。
このように、日米同盟は現在わが国の国防の基軸であり、またわが国の平和と安全と繁栄の礎でもあります。
さらには、私が議員時代東南アジア各地を歴訪したときに各国の関係者から異口同音に語られていた「沖縄はアジア情勢の安定のために寄与している」という言葉からもわかるように、極東アジア地域の安定のためにも重要であります。
だから私は県議時代、県議会において沖縄県議会防衛議員連盟を組織し、県議会議員として沖縄の地政学的重要性や自衛隊と米軍、沖縄と日本と米国の関係等を調査研究し、「何故沖縄に基地があるのか?」という根本的な疑問に対する理解を深めてきました。
先日5月4日、普天間基地の移設問題について鳩山総理が沖縄を訪問しました。
その時に総理が発言したことについて、私は大変驚き、耳を疑いました。
『私は、海兵隊が必ずしも抑止力として沖縄に存在しなければならない理由はないと思っていたが、学ぶにつけ、沖縄に存在する米軍全体の中で海兵隊は抑止力を維持できるという思いに至った。浅かったと言われればその通りかもしれない。』と、平然と言ってのけたのです。
では、今まで鳩山総理は沖縄に駐留する海兵隊の存在をどう認識していたのでしょうか。
日本の国防をつかさどる自衛隊の最高指揮官として、日本の安全保障の問題、また極東アジアの平和と安定の維持について、どう理解していたのでしょうか。
先の衆院選においてだけでなく政権誕生後も「県外・国外移設」を一貫して主張してきた鳩山総理は、在沖米軍の中で最大の兵力を持つ海兵隊がどのような存在なのかを、自らが提示した期日の差し迫ったこの段階でようやく学んだということですが、その勉強不足、見識のなさには、呆れかえるばかりであります。
さらにそれだけではなく、鳩山総理は「最低でも県外」という自らの発言も、「民主党代表としての発言であり、総理の発言ではない」から『公約違反ではない』と述べています。
このような姑息な言い分を並べ立てて恥じない鳩山総理にも、またこの件に関して一切コメントをしない民主党自体にも、そして反論はおろか公式にコメントをすることもない地元選出の国会議員にも、驚きを禁じえません。
普天間基地移設に伴う諸問題の解決は、たとえ政権が代わろうと国家の問題であり、政権を担ったものは責任を持ってこの問題に当たらなければならないにもかかわらずこの体たらくでは、私は、民主党の政治が続く限り、残念ながら普天間基地は宜野湾市から動くことはあり得ず、危険除去は先送りになってしまうことを確信しました。
結局、大山鳴動して鼠一匹すら動かない。
今までの自民党政権下では、在沖米軍の抑止力としての必要性を認識し、それを維持しながらも沖縄県の基地負担軽減を図る目的で、13年という長い年月をかけて合意し、最大限地元や環境に配慮する方策を練り、移設に向けて行動してきました。
国会でも議論がありましたが、自民党政権は13年もかけて杭一本打っていないのではなく、環境アセスが終了しこれから工事を開始する、という段階だったのです。
2014年までに危険を除去する、という目標に向かって。
その、長きにわたってコツコツと積み重ねられた米軍再編計画も、「trust me!」の言葉だけをもってすべてを台無しにしてしまいそうな現況です。
沖縄は国境南西端に位置し、日本の生命線である東アジアからマラッカ海峡やロンボク海峡、スンダ海峡を通りインド洋・中東へと至るシーレーンの玄関口です。
また、尖閣諸島や東シナ海の海底資源等、日本の海洋権益を守るための重要な課題が存在する地域でもあります。
先日も、台湾や中国の調査船が領海を侵犯したとの報道がありました。
また、沖縄近海を中国の潜水艦が頻繁に往来しているとの話も、よく聞きます。
そのような中、『国民の生活が第一!』とした鳩山総理は、いったい何を持って日本国民の生活、沖縄県民の生活の安全を保障しようと考えているのでしょうか。
「trust me!」という言葉を信じた県民は、高く上げた拳をどう下せばいいのでしょうか?
海上自衛隊ではP-2Jという対潜哨戒機のパイロットをしていたため、頻繁に米軍との共同作戦(対潜水艦監視追尾行動)を行っていました。
嘉手納基地内にある米海軍ASWOC(対潜水艦作戦センター)にも連絡将校として派遣されたこともあります。
わが国は海洋国家であり、国家の存立と発展のためにはシーレーンの防衛・シーコントロールの確立は必要不可欠ですから、憲法第9条の下に最低限度の自衛権しか持てないとされている日本にとっては、現状、日米同盟が日本の海洋権益確保および国家安全保障の唯一の鍵となっているわけです。
このように、日米同盟は現在わが国の国防の基軸であり、またわが国の平和と安全と繁栄の礎でもあります。
さらには、私が議員時代東南アジア各地を歴訪したときに各国の関係者から異口同音に語られていた「沖縄はアジア情勢の安定のために寄与している」という言葉からもわかるように、極東アジア地域の安定のためにも重要であります。
だから私は県議時代、県議会において沖縄県議会防衛議員連盟を組織し、県議会議員として沖縄の地政学的重要性や自衛隊と米軍、沖縄と日本と米国の関係等を調査研究し、「何故沖縄に基地があるのか?」という根本的な疑問に対する理解を深めてきました。
先日5月4日、普天間基地の移設問題について鳩山総理が沖縄を訪問しました。
その時に総理が発言したことについて、私は大変驚き、耳を疑いました。
『私は、海兵隊が必ずしも抑止力として沖縄に存在しなければならない理由はないと思っていたが、学ぶにつけ、沖縄に存在する米軍全体の中で海兵隊は抑止力を維持できるという思いに至った。浅かったと言われればその通りかもしれない。』と、平然と言ってのけたのです。
では、今まで鳩山総理は沖縄に駐留する海兵隊の存在をどう認識していたのでしょうか。
日本の国防をつかさどる自衛隊の最高指揮官として、日本の安全保障の問題、また極東アジアの平和と安定の維持について、どう理解していたのでしょうか。
先の衆院選においてだけでなく政権誕生後も「県外・国外移設」を一貫して主張してきた鳩山総理は、在沖米軍の中で最大の兵力を持つ海兵隊がどのような存在なのかを、自らが提示した期日の差し迫ったこの段階でようやく学んだということですが、その勉強不足、見識のなさには、呆れかえるばかりであります。
さらにそれだけではなく、鳩山総理は「最低でも県外」という自らの発言も、「民主党代表としての発言であり、総理の発言ではない」から『公約違反ではない』と述べています。
このような姑息な言い分を並べ立てて恥じない鳩山総理にも、またこの件に関して一切コメントをしない民主党自体にも、そして反論はおろか公式にコメントをすることもない地元選出の国会議員にも、驚きを禁じえません。
普天間基地移設に伴う諸問題の解決は、たとえ政権が代わろうと国家の問題であり、政権を担ったものは責任を持ってこの問題に当たらなければならないにもかかわらずこの体たらくでは、私は、民主党の政治が続く限り、残念ながら普天間基地は宜野湾市から動くことはあり得ず、危険除去は先送りになってしまうことを確信しました。
結局、大山鳴動して鼠一匹すら動かない。
今までの自民党政権下では、在沖米軍の抑止力としての必要性を認識し、それを維持しながらも沖縄県の基地負担軽減を図る目的で、13年という長い年月をかけて合意し、最大限地元や環境に配慮する方策を練り、移設に向けて行動してきました。
国会でも議論がありましたが、自民党政権は13年もかけて杭一本打っていないのではなく、環境アセスが終了しこれから工事を開始する、という段階だったのです。
2014年までに危険を除去する、という目標に向かって。
その、長きにわたってコツコツと積み重ねられた米軍再編計画も、「trust me!」の言葉だけをもってすべてを台無しにしてしまいそうな現況です。
沖縄は国境南西端に位置し、日本の生命線である東アジアからマラッカ海峡やロンボク海峡、スンダ海峡を通りインド洋・中東へと至るシーレーンの玄関口です。
また、尖閣諸島や東シナ海の海底資源等、日本の海洋権益を守るための重要な課題が存在する地域でもあります。
先日も、台湾や中国の調査船が領海を侵犯したとの報道がありました。
また、沖縄近海を中国の潜水艦が頻繁に往来しているとの話も、よく聞きます。
そのような中、『国民の生活が第一!』とした鳩山総理は、いったい何を持って日本国民の生活、沖縄県民の生活の安全を保障しようと考えているのでしょうか。
「trust me!」という言葉を信じた県民は、高く上げた拳をどう下せばいいのでしょうか?
Posted by オド 亨 at 18:05│Comments(1)
│基地問題に関すること
この記事へのコメント
・東北アジア安定のため、仮想敵国中国、北朝鮮に備え、台湾島、韓半島に第3海兵隊は、普天間沖縄から、分散移転するのがよろしい。
・犯罪防止による、日米同盟深化、来るべき地上戦にそなえ、語学学習・敵軍学習のためにも有益であろう。
・1部は安保条約履行のため、尖閣諸島に移転常駐するがよろしい。
・犯罪防止による、日米同盟深化、来るべき地上戦にそなえ、語学学習・敵軍学習のためにも有益であろう。
・1部は安保条約履行のため、尖閣諸島に移転常駐するがよろしい。
Posted by 沖縄米海兵隊きちについて at 2016年09月03日 21:16