延び延びになっている政策に関する詳細について、残りの『推進!』に関することをお話していきたいと思います。
観光立県に関する施策
沖縄県経済を支える3つの柱として、よく『3K』という言葉が使われています。
「基地」「公共事業」「観光」の3つを指しているのですが、今沖縄県は、仲井眞知事が打ち出した『観光客1000万人構想』の実現を目指し、『ビジット・おきなわ計画』を策定しております。
その内容は、
○外国人観光客の誘客促進
○リゾートウエディングの推進
○ニューツーリズムの推進
○MICEの誘致促進※ 『MICE』とは、Meeting・Incentive・Convention・Exhibitionの頭文字をとった造語で、研修やセミナー、視察、展示会、国際会議のことを指す
および観光まちづくりや人材育成などの受け入れ態勢の強化などとなっております。
観光は現在の沖縄において、多数の雇用と莫大な経済効果を担うリーディング産業のひとつであり、また県の自立経済の確立を目指す上でも重要な産業です。
国は、2007年1月に施行された『観光立国推進基本法』に則り、2008年10月には観光庁を設置して、観光立国の実現に向けて様々な政策を掲げています。
現在沖縄県では民間が頑張っていますが、民間活力を最大限引き出せる環境を整えることは、政治家がしかできません。
県を代表する政治家が積極的に国と県とのパイプ役となり、法律を最大限に活用して県観光の発展に尽力することは当然の責務であると私は考えています。
また、不況下においても伸びを示す観光は順風満帆に思える、という方も多くいらっしゃると思いますが、早急に解決を図らなければならない差し迫った問題もあります。
それは、
『那覇空港の滑走路増設および拡張整備』と
『基幹道路における渋滞の解消』です。
これは皆さんの記憶にもまだ新しいことだと思いますが、2007年8月20日、台北発那覇行の中華航空120便が、那覇空港着陸直後に爆発・炎上するという事故がありました。
この事故については、幸いにも火災が広がる前に全員脱出したため死者は一人もおらず、人的被害は最小限に抑えられたのですが、同時に沖縄県が抱えるひとつの深刻な問題点を浮き彫りにしました。
それは、那覇空港の滑走路が一本しかない、という現実です。
120便は、着陸後エプロンの41番スポットで停止した後に爆発・炎上しました。
これがもし滑走路上で爆発炎上していたとしたら、少なくとも数日以上は滑走路が閉鎖される事態となったことが考えられます。
沖縄は那覇空港を玄関口とし、人的輸送の多くや物的輸送の一部を空路に頼っています。
その滑走路が使えなくなった場合、沖縄が被る損失は莫大なものがあると言えるでしょう。
つまり、
危うく沖縄のすべてがストップしかねない危機的状況をギリギリのところで運よく免れた、というのがこの事故に対する私の感想です。
以上の観点から、現在の『滑走路が一本しかない』という状況は、危機管理上大きな問題だと私は考えます。
政治家として、できる限り迅速な問題解決を図りたいと思います。
ちなみに、玄関口の整備については『嘉手納基地の軍民共用化』も取り組んでみたいことのひとつです。
現在の那覇空港も、自衛隊と民間が共用している空港です。
沖縄を南の玄関口と位置づけ、国内線だけでなく国際線をも充実させ、また航空物流の拠点として発展させていくための方法として、あくまでたとえばの話ですが「ANAとスターアライアンス加盟各社が乗り入れる空港」「JALとワンワールド加盟各社が乗り入れる空港」という風に航空会社によって飛行場を分散させることもひとつ有効な手段ではないか?と私は考えます。
これについては日本政府と折衝するだけでなくアメリカとも交渉をしていかなければなりませんし、法律等を変える必要も出てきますが、勉強を重ねて是非取り組んでいきたいと思います。
また、道路網の整備も重要な課題です。
南北に長く伸びる沖縄の地理特性上、南北に伸びる基幹道路が東西に一本づつ(国道58号線と国道329号線
※国場川以南から知念半島にかけてと名護以北は331号線)走っておりますが、沖縄県は車社会であり、また観光客もレンタカーを利用して観光をするため、恩納村のリゾートホテル地区を走る国道58号線を中心として渋滞が頻発しております。
渋滞は経済のみならず環境にもマイナスの効果しかもたらさないものですから、沖縄のイメージの向上のためにも、地元の人々の生活の便利のためにも、また将来さらにレンタカー台数が増加してもそれに対応できるようにするためにも、バイパス建設を含めた道路整備は急務です。
道路の整備や新規建設に関して、以前道路特定財源の問題が噴出した折に『税金の無駄遣い』と盛んに報道され、問題視されていましたが、道路の整備は人やモノの流れをスムーズにし、ひいては地域の発展につながりますから、必要な道路は積極的に作らなければなりません。
国道58号線バイパス・国道329号線バイパスの建設や各地にある渋滞道路の拡幅など、問題となっている路線の整備を積極的に進めます。
沖縄を訪れる観光客の数は、年々増え続けております。
現在、100年に一度といわれる世界的な経済危機や世界的に大流行の兆しを見せる新型インフルエンザなど、沖縄観光の順調な発展を阻害する要素は散見されるものの、そんなことくらいでへこたれるような沖縄ではないはずです。
『観光客1000万人構想』の実現には、沖縄側の受け入れ態勢の構築も必要になります。
基盤整備をしっかりとし、民間の縁の下の力持ちとなることが、観光に対して政治ができることだと私は考えます。
国政の場から、しっかりと沖縄観光をバックアップしていきます。