5月30日の県連側との会見
「離党勧告」を手渡すため事務所を訪れた、具志孝助県連会長と嶺井光総務会長兼党紀委員長
昨日6月9日行われた離党会見の状況
マスコミ等で報道されたのでご存知の方も多いと思いますが、昨日、自民党を離党いたしました。
以降は、無所属で残り少ない選挙戦を戦ってまいります。
以下は、昨日の記者会見の演説の全文です。
この度、私 小渡 亨は、自由民主党沖縄県支部連合会・党紀委員会より3月30日に「離党勧告」を受けました。
その理由は、『党籍を有したまま次期衆院選に立候補を表明し、党公認候補を不利に陥れた』ということです。
しかし、いまだ自民党の党公認候補は、日本全国で一人も決まっておりません。
私は、このような自民党県連の候補者選考のあり方に関して強く疑問に思い、また県民のため、国民のために地域を代表する政治家は誰がいいのか?という本質的な議論や調査を一度も行わずに「現職優先」としたことについて強い不合理性を覚え、4月24日、再審査請求をいたしました。
100年に一度の経済危機といわれている中で、沖縄のリーディング産業であるはずの観光においても、順調な伸びを示していたはずの観光客数の増加傾向は鈍化し、特に国内観光客は去年よりも減っております。
地域によっては全国平均の最大2倍近い失業率、シャッターが下りたままになっている各地の中心市街地、全国最低と言われる教育レベル、といったネガティブな話題が新聞紙面を頻繁に賑わせており、ゴルフやバスケットなどでの県勢や県出身選手の活躍といった明るい話題も一部あるものの、沖縄県全体は閉塞感に覆われています。
また、12年前に『普天間市街地の中心にある危険を除去する!』ために本島東海岸へ移設することで合意された普天間基地はそのまま動かず、その危険性は今もなお変わらずそこにあり続けています。
米軍再編は、まったくの足踏み状態であります。
問題解決の責任を果たさないこのような状態が続き、もし万が一またヘリが市街地に墜落するようなことがあれば、これは動かすことができなかった私たち政治家の責任です。
私はかつて、海上自衛隊のパイロットでした。
航空機の運用、ランウェイのあり方、トラフィックパターンの形状、離着陸時の航空機の状態等は、すべて専門家として熟知しております。
私が出馬を決意したのは、このような山積する諸問題を、自らの知識と経験を活かし、責任ある政治でもって解決するためであります。
さらに、沖縄のことを考える政治家を増やすことも課題のひとつです。
かつて、佐藤栄作氏、山中貞則氏、梶山静六氏、橋本龍太郎氏、野中広務氏、小渕恵三氏といった沖縄に強い思い入れを持つ政治家が数多くいました。
しかし、今ではほとんどおりません。
これは、沖縄側の政治家の行動に、大きな責任があると私は思います。
沖縄の問題解決のために、沖縄を本音で語り、本気で取り組む輪を広げていきたいと考えております。
今後の沖縄の発展の鍵は、中北部にあります。
那覇・南部だけが栄えても、中北部が低迷する限り県全体の発展はありません。
そのためにも、普天間基地の辺野古移設や中城湾港新港地区・泡瀬地区事業、沖縄科学技術大学院大学の開学、IT津梁パーク事業など、国政レベルの問題を数多く抱える沖縄第3選挙区の迅速な問題解決が急務であります。
北部振興策で莫大な金が落ちているはずなのに、企業倒産が相次ぎ人々の生活は低迷している北部の現状!
基地負担を抱えているにも関わらず、雇用・教育といった生活水準は県最低レベルにまで落ち込む中部の状況!
このような沖縄第三選挙区の現状を確実に変えるため、沖縄県の低迷する経済と雇用と教育を根本から向上させるため、そして日本の抱えるたくさんの問題を解決するために、私は国政へ挑戦します。
政治を変え、政治が変える!
私 小渡亨は様々な政策を打ち出しておりますが、その根底に流れているのはすべて「変える!」という思いです。
その思いに賛同してくれたたくさんの人々が、今ここに集まってくれました。
数十名以上の選挙区内の市町村議会議員をはじめとしてたくさんの方々が応援してくれるのも、やはりみなさんの中に「変えたい!」「変えなければ!」という強い思いがあるからです。
過去に沖縄第3選挙区から出馬した西田・国場両氏が「除名処分」であったにもかかわらず、今回私についてはそれよりも軽い「離党勧告」であったことは、県連の私に対する期待の現れでもあるものと受け止め、党議に従い、離党することを決意いたしました。
次の衆議院議員総選挙には、無所属で出馬いたします。
「継続は力なり!」という言葉がありますが、何も変わらない何も進まない政治をこれ以上継続させてはいけません。
政治に責任を持ち、県民の声に耳を傾けて、その声を国政に届けて着実な沖縄の発展を図るため、私はがんばります。
私は、やります。
皆さん、最後まで、応援宜しくお願い致します!
前記事のコメントに、党本部に再審査の要求を持ち込まなかったことについて、また『党議に従い』という言葉についての質問がありましたので、ここでお答えいたします。
なぜ党本部に再審査請求を出さなかったかということについて。
今回の離党勧告は、私に対して三区の現職が自民党県連に除名処分要求をしたことが発端です。
度重なる要求に対し、県連は党紀委員会にて「離党勧告」を決定いたしました。
これに対し、以前記事にも書いたのですが『「党籍を有したまま自民党の次期衆院選の党公認候補を不利に陥れた」とあるが、いまだ党公認候補者は決まっていない以上党規違反とは言えない。』、『党規約に則るのであれば、次期衆院選の候補者については、選考委員会を開いて適正な方法で熟慮して選定すべきではないか?』という私の考えを、党のあり方を是正する意味を持って、再審査請求をしたわけです。
この請求に対して県連は総務会を開き、同時に処分が軽すぎるとして現職から再度出された「除名処分要求」も含めて審査し、『再審査は行わない』という結論を出しました。
県連会長からは、これについて「この結論に納得ができないのであれば、再審査のチャンスはまだ残されている」ということで、自民党本部への再審査要求の方法まで教えていただいたのですが、それを後援会にて討議した結果、結局次期衆院選までの残り少ない時間と、一般的な『組織の論理』を天秤にかけ、「最早ここに到っては再度再審査請求をするよりも選挙戦に集中したほうがいい」という結論に達したため、党本部に対しての再審査請求は行わないことにしたわけです。
よって、このタイミングで離党したことについて、私は中途半端な結末だとは考えておりません。
また、『党議に従い』という言葉を使ったことについてですが、私は党紀委員会の決定と、総務会の結論に従ったつもりです。
だから、「党紀に従い」ではなく「党議に従い」という言葉を使いました。
自民党本部の選挙におけるルールである『選挙対策要項』には、候補者選定手続きについて
「衆議院小選挙区選挙における候補者は、都道府県支部連合会を通じて申請された推薦を参考とし決定する(一部略)」、そして候補者選定に関する事項として
「公認候補者は現職優先を基本とするものの、前・元職、新人の複数の立候補予定者があったときには小選挙区内において挙党体制が組める者とし、最良の候補者を選定するようにする(一部略)」とあります。
このように規定されているにもかかわらず、まだ県連から推薦が出ていない状況で、最良の候補者を選定する作業をまったく行うことなく下された処分は、党紀に則したものではないと私は考えております。
ただ、県連党紀委員会の面々が議論した結果、現職も含まれる総務会の決定は、「離党勧告」でした。
それに対し、決定のプロセスや理由に不満はあるものの、上記の「これ以上『離党勧告』という言葉に踊らされる謂れはない」との考えも含めて、組織の一員として議決に従うことを決めたわけです。
県連党紀委員会において私をかばってくれたかつての同僚たちには、大変感謝しています。
私を応援してくれる人々共々、当選の喜びでもって報いたいと思います。
残り少ない選挙戦、これで障害はなくなりました。
自民党であろうが無所属であろうが、県民のため国民のための政治を行う決意に変わりはありません。
最後まで勝利を目指して戦い抜く所存でありますので、引き続き変わらぬ応援よろしくお願いします!