ハーリー

オド 亨

2009年06月06日 16:40


左&中央:平安座ハーリー一般の部と参加者のテント立ち並ぶ周辺岸壁の様子、右:屋慶名御願バーリー


左:屋慶名ハーリー開会式、中央:応援する地元の人々、右:桃原ハーリーにて、新川秀清氏&新里米吉氏と共に

 5月末日の晴れ渡った日曜日、うるま市与勝地域ではあちこちでハーリー大会が開催されていました。

ハーリーは『爬竜』と書き、爬竜船と呼ばれる10~12名乗りの船を漕ぎ競い合って、豊漁と航海の安全を祈願する海人災のことです。
このハーリー、一般的には那覇ハーリーや糸満ハーレーが知られていますが、もともと漁師の町や島であった勝連半島においてもハーリーの文化が残っており、旧暦の5月4日前後の週末には半島周辺のあちこちでハーリー大会が開催されます。


 今回私が見に行ったのは、宮城島・桃原ハーリー、平安座島ハーリー、屋慶名ハーリーの3ヶ所で、どこも多くの人でにぎわっていました。
特に平安座島ハーリーは、地元の人たちだけでなく遠くは糸満から訪れたハーリーチームも居り、出場チーム80余組、総勢1800人あまりもの人が繰り出し、皆思い思いのスタイルでバーベキューやビールなどと共に祭りを楽しんでいました。
また屋慶名ハーリーでは御願バーリーが転覆したアクシデントもあり、炎天下にもかかわらず涼しげな潮風に撫でられながらの、活動の合間のささやかな安らぎのひとときとなりました。
 

 さて、これは私が常日頃感じていることなのですが、沖縄の伝統文化はエイサー然り、ハーリー然り、とても勇壮なものが多いように感じます。
エイサーなどはその勇壮さに見せられて東京の新宿でも『新宿エイサー祭り』という祭りが開かれるほどであり、これらは守り伝えていくべき大切な伝統文化であると共に、有用な観光資源でもあるはずです。

 「沖縄の東海岸は観光資源がない!」という意見をよく耳にしますが、決してそんなことはないと思います。
これらのような、立派な文化がしっかりと残っている。
これらをしっかりと整備していけば、何も新しい観光資源を作り出さなくとも東側に観光客を呼び込むことは可能ではないか?と私は考えています。

 たとえば全島エイサー祭りは、毎年安全面などにおける問題が浮上し、また周辺の交通に与える影響も無視できないものがあり、また来場者数と競技場の客席数も釣り合っていないため、祭りへの需要に対して供給が追いつかない飽和状態となっております。
そのような現状を鑑みると、祭りのポテンシャルをしっかりと活かして地元の人も観光客も存分に楽しめるような祭りにすることが、今後の私の課題でもあると考えております。

 祭りは、カンフル剤です。
民俗学で言うところの『ハレ』の集大成としての祭りは、人だけでなく企業や団体などあらゆるものを元気にします。
関わる人がみな元気になるような、さらには他所から見て魅力的だと思われるような祭りを作り上げていくことは、民間や行政だけでなく政治家も積極的に取り組んでいかなければなりません。


 じりじりと肌焦がす暑い太陽の下、そのようなことに思いを馳せながら、御願バーリーに選挙必勝を願い、決意を新たにした日でありました。

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